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戯曲やエッセイと同じく、松尾さんの文章独特のグルーヴでこれまた一気に読まされた。閉鎖病棟の中という景色の変化が少ない場所が舞台だからか、舞台向きな小説だなあと思った。冒頭での主人公の夢の描写が強烈で、映像だとリアルすぎてキツイ気もして。実際には映画になるのでその辺がどうなるのか見てみたいような怖いような。
演劇っぽいけど、普段の松尾さんの芝居よりは全体的にだいぶソフトになってると思う。終盤いろんなことがきれいにまとまりすぎてるような気がしたり。ラストで主人公は立ち直ったように見えるけどまたいつか戻ってくるような危うい感じ、よかったねーだけじゃ終わらないもやっと感が残るところが良かったです。前半と終盤に1回ずつ描かれている主人公と彼氏の面会シーンがせつなくてすきでした。鉄ちゃんはバカでいい男だ。映画では宮藤さんがやるそうで、想像しただけできゅん死にしそうです。